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腕時計を彩る“名わき役”──ベルトの歴史

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こんにちは。
いつもゼニスブティック大阪のブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
腕時計の魅力を語るうえで、ムーブメントやケースに注目が集まりがちですが、実は「ベルト(ストラップ)」も非常に重要な存在です。見た目の印象はもちろん、装着感や個性を決定づける要素として、時計そのものと同じくらい深い物語を秘めています。
今日は、少し違った目線で時計ベルトの起源から素材の進化、そしてなぜフォーマルシーンにクロコダイルが選ばれるのかまで、ベルトの奥深い世界をご紹介いたします。


■ 時計ベルトの始まりは空から戦場へ

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現在のような腕時計スタイルが広まったのは、20世紀初頭といわれいます。

■ パイロットが“足に巻いた”?

腕時計が普及するきっかけとして広く知られているのは、第一次世界大戦中に兵士たちが懐中時計を革ベルトで手首に装着したという話ですが、もうひとつ、航空黎明期のパイロットたちによる工夫も、時計ベルトの進化に大きな役割を果たしたと言われています。

20世紀初頭、パイロットたちは両手を操縦に使っていたため、ポケットから懐中時計を取り出す余裕がありませんでした。そのため、足首に長めの革ストラップで時計を巻き付けて使うというスタイルが誕生しました。これは、狭いコックピット内で視線を下げるだけで時間が確認できる、非常に合理的な工夫でした。このスタイルはのちに「腕に装着する方が便利」という流れへと変わっていき、現在の腕時計の原型へとつながっていきます。

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大きな転移になったのは第一次世界大戦でとされておりおります。当時の兵士たちは、懐中時計をポケットから取り出す余裕もない過酷な環境の中で、時計を革紐で手首に括り付けて使用していました。この実用的な発想が「腕時計」の原型となり、同時にベルト(ストラップ)文化の始まりでもあったのです。


■ 進化する素材:レザー、メタル、そしてラバーへ

腕時計の進化は、ムーブメントやデザインだけでなく、ベルト素材にも顕著に現れています。特に20世紀以降の社会変化やライフスタイルの多様化に伴い、素材の選択肢とその役割は大きく広がっていきました。

● レザーベルト — 伝統と品格の象徴

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19世紀末から20世紀初頭にかけて、懐中時計から腕時計への移行が進む中で、初期の腕時計にはレザーストラップが一般的に使われていました。特に戦時中、兵士たちが懐中時計を手首に装着できるよう工夫したことで、レザーストラップの実用性が認知されます。戦後になると、レザーはより洗練された素材としてドレスウォッチの定番に。カーフやクロコダイルといった高級素材は、フォーマルな装いに上品なアクセントを加えます。
ゼニスの「クロノマスターコレクション」では、ヴィンテージの魅力を再解釈しながら、伝統的なレザーストラップを採用しています。手元にクラシックな風格を与えています。

● メタルブレスレット — 機能性と現代性の融合

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1950年代以降、潜水や探検などの特殊任務に対応するツールウォッチの需要が高まると、防水性と耐久性を兼ね備えたメタルブレスレットが台頭します。スチールやチタンなどの素材は、汗や水に強く、過酷な環境下でもその性能を保ちます。加えて、都会的で清潔されてきました。
ゼニスの「デファイ スカイライン」は、エッジの効いたデザインと堅牢なメタルブレスレットにより、アクティブでモダンなライフスタイルを象徴する一本です。

● ラバーストラップ — 新時代の相棒

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1980年代から90年代にかけて、スポーツやアウトドアレジャーが一般化し、同時に時計にも快適性と機能性が求められるようになりました。そこで登場したのが、柔軟かつ耐候性に優れたラバーストラップです。水や汚れに強く、軽量なため、日常使いから本格的なアクティビティまで対応できる素材として一躍脚光を浴びました。
ゼニスの多くのコレクションでも、ラバー素材が登場しています。スタイルと実用性を両立させたラバーストラップは、現在は理想的な選択肢といえるでしょう。


■ なぜフォーマルには「クロコダイル」なのか?

ドレスウォッチの世界では、なぜか定番のようにクロコダイルのベルトが用いられています。それはただの見た目の美しさ以上に、深い文化と伝統が背景にあるのです。それを紐解いてみましょう。

● 貴族文化と高級素材としての格を重視

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ヨーロッパの貴族階級にとって、身に着ける素材は「財力や教養の象徴」とされていました。現代にも通ずる部分ですね。
クロコダイル革は非常に希少で加工が難しく、古くから富と権力の象徴として重宝されてきました。特に東南アジアやアフリカが生産国であったため、ワニ革は贅沢な素材でもありました。

● 美しさと実用性の両立

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クロコダイルの革は光沢と独特のウロコ模様が特徴で、見る者に洗練された印象を与えます。さらに、革の繊維が密でしなやかさと耐久性を兼ね備えており、見た目の美しさと長く使える実用性を両立しているのです。

● 現代のフォーマルにも息づく格式

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現代でも、ゼニスをはじめとする多くの高級時計ブランドが、フォーマルモデルにクロコダイルストラップを採用しています。時計が“品格”を重視するものである以上、ストラップの存在も無視できません。


■ 時計ベルトで楽しむ“着せ替え”の美学

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最近では、ベルトの交換によってスタイルを変える「着せ替え」を楽しむ方も増えてきました。カラーや素材を変えることで、同じ時計でもまったく異なる印象になります。

ゼニスブティック大阪では、モデルに合わせた交換ベルトのご提案も可能です。フォーマル・カジュアル・季節感など、シーンに応じた装いを楽しんでみてはいかがでしょうか?


■ まとめ

時計の魅力は、ムーブメントや文字盤だけでは語り尽くせません。ベルトは、腕時計の“もうひとつの主役”であり、歴史・素材・文化を背景に、確かな存在感を放っています。

ゼニスブティック大阪では、お客様に合わせたベルト選びのお手伝いも承っております。ぜひお気軽にご相談ください。

記:長野

 

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