クロノグラフはなぜ必要だったか?〜時間を測る、記録に残す使命とは?〜

こんにちは。いつもゼニスブティック大阪のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
皆様、機械式時計の機能の一つで“クロノグラフ”はご存じでしょうか?
いわゆる、ストップウォッチのことを表しています。
「クロノグラフ」と聞くと、現在では“ストップウォッチ機能付きの腕時計”というイメージが一般的かもしれません。
デザインもメカっぽくてかっこいい、反対に使わないのにいらないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかしながら本来、クロノグラフには「必要性」から生まれた実用的な背景があり、それを知っていただくとより魅力を感じていただけるのではないかと、今回は歴史から、クロノグラフがなぜ生まれ、なぜ必要とされたのかをご紹介します。
■ 起源は「記録する」

クロノグラフの語源は、ギリシャ語で「時間(クロノス)」+「書く(グラフ)」を組み合わせた造語です。
最初のクロノグラフは1821年、フランスのニコラス・マシュー・リューセックは文字盤上にペンでマーキングした弧の長さで経過時間を測定する機械を試作し、当初の目的は“競馬のゴールタイムを計るため”でした。
■ クロノグラフが活躍した現場

クロノグラフが発展したのは、正確な時間測定が「命に関わる」ような現場で求められ、使用され続けたことが関わります。
▶ 航空・軍用
- 飛行ルートやタイミングの計測には、正確な経過時間が不可欠でした。燃料なの現状を知るためにも、パイロットや軍人は、腕に装着できるクロノグラフを大変重宝していました。
▶ モータースポーツ
- 当初は競馬のゴールですが、より速度が速いモータースポーツでは精度の高さが求められてきました。
周回タイム、ピットストップの計測、タキメーターは時速の計測など、なくてはならない存在です。
※タキメーター・・・時速を計るための目盛り - 1秒以下の世界で明暗が分かれる世界ではクロノグラフは需要なツールでした。
▶ 医療・科学
- 以外に知られていないのがこの分野です。
心拍数の測定や、薬品反応時間の測定などにも時間の経過を計測するクロノグラフは重宝されました。
医師向けにパルスメーター付きクロノグラフがあるのはこの分野での需要度を表しています。
※パルスメーター・・・心拍を図るための目盛り
■ なぜ今もクロノグラフが愛されるのか?


現在では電子的なストップウォッチ、スマートフォンがあれば、時間測定は簡単です。
では、なぜ機械式のクロノグラフは今もなお人気なのでしょう?
その理由は、機械式時計のには必須の2つのロマンが存在するからです。
1.歴史
2.機械式の精巧なメカニズム
クロノグラフ機械式時計は単なる“計測器”ではなく、歩みを感じ、所有する魅力を今も放ち続けています。
■ まとめ 〜クロノグラフは“必要”だ

クロノグラフは、時間を「知る」だけでなく、「記録し、活用する」ために生まれた道具です。
今の計測技術の発展その背景には、精密な時間管理が人の命や勝敗を左右する現場があったからこそ進化してきたという背景がありました。それはただの飾りではなく、人類が「正確な時間」に挑んだ証でもあるのです。
ぜひ、機能面だけではなく、ロマンという部分に目を向けていただければ幸いです。
記:長野