[エルプリメロ]って実際どうなんですか?そんな疑問にお応えします[最終回]「ZENITHブティック大阪」
皆様こんにちは。いつもゼニスブティック大阪のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
本日は、エルプリメロの実際にはどうなのか?について三部に分けて語ってきたのですが、やはり有名なムーブメントであるので、今までもお伝えしてきた内容が多く、もう知ってるよ!と言った声や、機械としてどうなんですか?の声が聞こえてきそうなので、今回は現行のEl Primero3600の良い点や良くない点について、「クロノマスタースポーツブティックエディション」ユーザー目線、或いは元時計の修理技術屋としてお話していきます!
第三弾はこちら!
ここではEl Primero3600の評価基準として、実際に使ってみて感じた実用スペックと、一般的な自動巻きクロノグラフとの設計思想による基本スペックによる比較を、あくまで個人の主観として評価していきます。
良い点
・日常使いでの実測精度が良い
エルプリメロは1秒間に10振動、1時間に36000振動と言う超高振動で動作しているため、携帯中の精度の乱れが生じにくいという強みがあります。
・見た目に楽しい古き良きクロノグラフムーブメント
設計されたのが1969年にまで遡る超古参ムーブメントで、クロノグラフの設計としてコストカットが殆どない、最も見栄えの良いムーブメント設計となっています。
・脱進機のパーツがシリコン製
ガンギ車とアンクルと言う機械式時計の精度を司る重要な部品が、耐摩耗性、温度変化、耐磁性能、軽量と言った特徴があり、ムーブメントの性能を飛躍的に向上させます。
・9時位置に秒針があるので、時刻を読み取りやすい
伝統的な9時位置秒針で、他の針と重なるタイミングが少なく読み取りやすいです。特に時刻合わせの時に0秒位置で停止しやすくて便利です。
・高級クロノグラフの代名詞とも言える、コラムホイール式の設計
クロノグラフのボタンの押し心地も良くしっかりと「ボタン」を感じる事ができます。非常にコストがかかるパーツでもありますが、見栄えも良くなります。
・カレンダー機能が付いている
好き嫌いは分かれる部分ではありますが、やっぱり便利です。
・パワーリザーブ(ゼンマイ持続時間)が60時間
ゼンマイを巻き続けずとも、約2日と半日分動作します。ここまで動いてくれれば実用面でも全く問題なしです。超ハイビートのムーブメントなので、通常の時計よりゼンマイがほどけるのが早くなりますが、それでいて60時間の確保はすごいことです。
・ゼニスの時計に対する保証が手厚い
通常5年間の自然故障に対する保証があります。また、ゼニスにはどれほど昔の時計であったとしても修理をする「永久修理保証」があります。生産終了につき修理ができなくなると言った事がありません。
・歴史的背景にストーリー性がある
一度失われたムーブメントでしたが、その復活の背景には壮大な物語がありました。
気になる方は是非こちらの記事もご確認ください!
良くない点
・衝撃に(かなり)強いわけではない
精度の乱れには強いムーブメントであるものの、強い衝撃などを受けると歯車が変形したり、軸が折れてしまう可能性があります。
・見た目にはいいクロノグラフだが、昔ながらの弱点もある
ダイナミックな動作をする分、歯車同士の干渉によって一瞬だけクロノグラフ針の表示がズレる事があります。最新の設計ではクリアされていますが、機械の見た目がそっけなくなってしまうデメリットもあるので、ゼニスでは昔ながらの方式を採用し続けています。
・コストがかかりすぎる
最新の設計ではない部分もあるため、コストがかかっている部分もあり、ムーブメント1つを完成させるのに約9ヶ月もかかります。
・脱進機パーツがシリコン製ではあるが、テンプ等の調速機はシリコン製ではない
特にヒゲゼンマイの部分は金属であるため、磁気に強いわけではないです。
まとめ
万が一の事故には強いわけではないが、正しく安全にご使用頂ければ非常に優れたムーブメントだと思います。ムーブメントがキャリバーナンバーなどではなく、「El Primero~エル・プリメロ」と名称が付いているのもゼニスにとって重要なムーブメントであることが伺えます。(ちなみに社名のZENNITHもムーブメントの名称から)
時計史上、優れたムーブメントはいくつも存在しますが、ゼニスのエル・プリメロもまた最も優れたムーブメントの1つであると確信しています。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!ゼニスの魅力、エルプリメロの魅力が少しでも伝わっていれば幸いです。
“TIME TO REACH YOUR STAR”
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