ZENITHには社名と同じ、「ZENITH」と刻印の入った、所謂アンティーク懐中時計ムーブメントがあります。これは、1897年に完成し、1900年のパリ万博にて金賞を受賞したZENITHの始まりとも言えるムーブメントです。現在の社名であるZENITHはここに由来します。

ZENITHは1950年代の精度コンクールにおいて、歴史上類を見ない前人未到の5連覇を達成します。まさに圧倒的なパフォーマンスを誇ったのがこの「Caliber 135-O」でした。ZENITHは歴史上最も多くの時計に関する賞を受賞した栄光がありますが、このムーブメントの存在が大きく貢献しています。
このムーブメントには市販用の「Caliber 135」が存在し、一般市場にも流通していました。
近年では当時のクロノメータームーブメントを修復、調整して10本限定で蘇らせることに成功しています。このムーブメントは後に限定モデルで数本のみ復刻しました。

1950年代のクロノメーターの歴史では「Caliber 135-O」が支配していました。しかし、1960年代に入り、天文台コンクールには大型のムーブメント、つまり腕時計サイズではないようなムーブメントも対象になりました。そのため、ZENITHの「5011K」が史上最高精度のクロノメーターとして君臨することになったのです。残念ながら1968年にはコンクール自体が無くなってしまいますが、最後までゼニスの独壇場でした。
この歴史的なムーブメントもまた、現代のZENITHの時計師によって修復され、限定モデルとして現代に復刻した経緯があります。

[3019PHC]

1969年1月10日、ZENITHは世界で初めてとなる自動巻きクロノグラフを発表します。これは文字通り世界で初めての偉業で、当時の腕時計のサイズに収まるよう、既存のムーブメントにクロノグラフのモジュールを組み込むのではなく、１から設計された一体型の自動巻きクロノグラフでした。
更に、どうせやるのであれば、人類が今まで体験した事の無いこと、つまり毎時36000振動の超高速振動によって圧倒的な精度も併せ持つ達人技で世界を震撼させました。
この3019PHCはその伝説の初期モデルになり、エル・プリメロの第一世代となります。
エル・プリメロは薄型の自動巻きクロノグラフであり、その性能面でも抜きんでた存在であったため、あらゆるブランドにて採用された実績があります。

[400]

1970年代、世界的に続くクォーツショックの影響で、1975年よりゼニスは機械式時計の製造を中断せざるを得ない状況になりました。その間ゼニスはクォーツの機械を中心に製造していました。
エル・プリメロの製造が再開されたのは1984年の事でした。機械式時計の復活劇の渦中に、自動巻きクロノグラフを必要とする声が増え、エル・プリメロを持つゼニスは躍動します。
この、再生産されたエル・プリメロは、第二世代と呼ばれ、第一世代より細かい部分でブラッシュアップがなされています。この伝統的なムーブメントは現代においてもクラシックモデルに搭載され、現役を保っています。

ZENITH
クロノマスター リバイバル A385
品番：03.A384.400/385.C855
ケース径：37ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エル・プリメロ400）
素材：ステンレススチール
防水：5気圧防水
価格：¥1,078,000(税込)

※2023年12月時点での価格となります。

[3600]

2019年、エル・プリメロ誕生50周年を記念して新たに設計された最新の第三世代のエル・プリメロとなります。これは、初代から受け継がれるエル・プリメロにとって欠かせない要素を守りつつ、エル・プリメロの更なる魅力の開拓を行っています。それは、10秒で一周し、1/10秒を精密に測ることが出来る唯一無二の機構です。
元より1秒を10分割に出来たエル・プリメロを最大限生かすマニュファクチュールZENITHならではのこだわりが現れています。
50周年記念のモデルに搭載されたほか、現在のゼニスのコレクションの多くがこの3600をベースにしています。

ZENITH
クロノマスター スポーツ ブルー
品番：03.3114.3600/51.M3100
ケース径：41ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エル・プリメロ3600）
素材：ステンレススチール
防水：10気圧防水
価格：¥1,331,000(税込)

※2023年12月時点での価格となります。

ZENITH
デファイ スカイライン スケルトン ブティック エディション
品番：03.9300.3620/80.I001
ケース径：41ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エル・プリメロ3620SK）
素材：ステンレススチール
防水：10気圧防水
価格：¥1,408,000(税込)

※2023年12月時点での価格となります。

ZENITH
パイロット ビッグデイト フライバック
品番：49.4000.3652/21.I001
ケース径：42.5ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エル・プリメロ3652）
素材：ブラックセラミック
防水：10気圧防水
価格：¥1,727,000(税込)

※2023年12月時点での価格となります。

1994年にZENITHはエル・プリメロに次ぐゼニスの基幹となるムーブメント「エリート」を開発します。これは超薄型の自動巻きで、エル・プリメロと対になります。
この当時、ムーブメントの設計は手書きの図面をもとに試行錯誤を繰り返し、長い年月をかけて完成させていました。しかし、ZENITHはこのエリートをCADによる設計、所謂コンピュータを用いて設計、シミュレーションを行うことを実現させました。これは現代でこそ主流であるものの、ZENITHが世界で初めてコンピュータによる設計を行なったことになります。
こちらのエリートもあらゆるブランドで採用されている、非常に優秀なムーブメントになります。

ZENITH
エリート クラシック
品番：03.3100.670/01.C922
ケース径：40.5ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エリート670）
素材：ステンレススチール
防水：5気圧防水
価格：¥759,000(税込)

※2023年12月時点での価格となります。

通称エルプリメロ21と呼ばれる、新時代のエル・プリメロ。
2017年に突如として現れたこの「El Primero 9004」は、恐るべきことに1/100秒までを精密に計測が出来る、それまでの機械式クロノグラフの常識を覆すムーブメントの量産に成功しました。この摩訶不思議な動作を行うムーブメントは、1秒で一周するクロノグラフ針を備え、それを制御する為に1秒で100振動もの超高速振動の心臓部を新たに用意しました。1つのムーブメント内に2つの動力部があり、それぞれ独立して作動するため、クロノグラフの計測中であっても時計の精度に全く影響を与えません。
これらの動作は殆どがオープンになったムーブメントから細部にわたって覗くことが出来ます。
まさに21世紀のエル・プリメロと言えます。

ZENITH
デファイ エクストリーム
品番：95.9100.9004/01.I001
ケース径：45ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エル・プリメロ9004）
素材：チタン
防水：20気圧防水
価格：¥2,299,000(税込)

※2023年12月時点での価格となります。

[El Primero 9020]

機械式時計には必ず姿勢差と呼ばれる精度を乱す要因が付きまといます。これは、時計の心臓部である部品が重力の影響を受けること、その重力の影響は時計の姿勢によって大きく変わることで発生します。
このエル・プリメロ9020では、機械式三大機構のひとつであるトゥールビヨンと呼ばれ、心臓部分を常に回転させることによって、重力の影響を分散させ、平均化させています。ベースである1/100秒を計測できるエル・プリメロ21をトゥールビヨン化させたものになります。通常の駆動部分では60秒で1回転、クロノグラフ駆動部分では5秒で１回転します。

ZENITH
デファイ ダブル トゥールビヨン
品番：04.9000.9020/00.R920
ケース径：46ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エル・プリメロ9020）
素材：サファイアクリスタル
防水：3気圧防水
価格：¥23,100,000(税込)

※世界限定10本。

※2023年12月時点での価格となります。

[Zero G]

機械式時計には必ず発生する重力の影響ですが、
このZERO G機構は、グラビティコントロールモジュールを搭載し、時計のすべての姿勢において、心臓部を水平に固定することで重力の影響から完全に開放されました。
この発明は「最も正確な時計を作る」と言う創業者の言葉通り、機械式時計の歴史上で初めて重力に完全に打ち勝ち、最も正確な時計に近づいたと言えます。
大航海時代に重宝された、荒波の船上でも正確に時を刻んだ「マリンクロノメーター」から着想を得ています。

ZENITH
デファイ ゼロ G
品番：04.9000.8812/00.R920
ケース径：46ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製手巻きムーブメント（エル・プリメロ8812 SK）
素材：サファイアクリスタル
防水：3気圧防水
価格：¥20,570,000(税込)

※世界限定10本。

※2023年12月時点での価格となります。

[El Primero 4805 SK]

フュゼ・チェーン式コンスタントフォース機構。これは、18世紀頃の王宮などに仕えていた時計宮廷時計師が、正確な時計、即ち権力の証として時計を作っていたころにのみ見られる機構で、ゼンマイのほどける力を一定に保つ役割があります。
チェーンの長さは18cmあり、それらを１つの腕時計の中に入れ込むことは非常にコストもかかり、困難を極めます。
また、更に三大機構のひとつであるトゥールビヨンまでをも装備しており、現行の機械式のムーブメントとしては極上品となります。王宮への献上品レベルのコストをかけて開発、生産されたEl Primero 4805SKは数も少なく非常に珍しい機構を盛り込んでいます。

ZENITH
デファイ フュゼ トゥールビヨン
品番 10.9000.4805/78.R916
ケース径：45ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製手巻きムーブメント（エル・プリメロ4805SK）
素材：ブラックカーボン
防水：10気圧防水
価格：¥10,175,000(税込)

※世界限定50本
※生産終了モデル
※2023年10月時点での価格です