ゼニスのエル・プリメロとは?これを知ればあなたも時計好きに!
皆さんこんにちは!小島です。
段々と半袖を着てお出かけをされる方も増えて来て、時計が露出しやすい季節になってきました。
今回はゼニスの時計を着けて頂いている方にはもちろん、今後購入しようか悩んでいる方へ向けて、ゼニスの中でも最も有名なお話をさせて頂きます。
episode1,エル・プリメロ
ゼニスの時計は当ブログでもご紹介してきましたように、主に”エル・プリメロ”という名前の機械を使ったモデルが最も有名で、その機械は時計業界内でもかなりの知名度があり、同時に人気もある特別なムーブメントとなっております。
人気の理由はいくつかあります。今回はそのいくつかをご紹介しましょう。
人気の理由その1
世界初の自動巻き高振動クロノグラフムーブメント
1969年に発表された”エル・プリメロ”は実は、世界で初めて自動巻きのクロノグラフムーブメントとして登場しています。
クロノグラフ機構と自動巻き機構が別々であれば、様々なブランドで展開されていたようですが、両方を兼ね備えたムーブメントは無かったようです。
それだけでも十分凄いのですが、細かな所をお話しします。
少し話は逸れますが、ムーブメントの製造過程について簡単にお話ししましょう。
通常、時計と呼ぶために必要な機能と言えば「時」「分」「秒」を加えた3つですね。それさえ計測できれば時計としてはほぼ100%の機能を備えるわけです。
・クロノグラフの様なストップウォッチ機能
・ムーンフェイズの様な月の満ち欠け
・カレンダー機能
etc…
上記のような追加機能は本来時計には必須ではないのです。
故に、時刻を刻む為に必要な機構以外は基本的に”複雑機構”と呼ばれます。
ちなみに例として、最もシンプルな時計になるとZENITHならこのようなモデルになります。
必要最低限な機能だけを備えた時計ほど、文字盤やケースの美しさがより際立ちますよね。
話を戻します。
複雑機構は本来必須の機構ではない為、時刻用のムーブメントに新たに付け加える形で組み込まれる事が一般的です。
クロノグラフ機構もその一つです。
時刻用ムーブメントに重ねて付け加えるのが一般的である以上、今でこそ様々なブランドがクロノグラフを出していますがその殆どで、ムーブメントに厚みが出てしまうのが特徴です。
しかし、”エル・プリメロ”は時刻用ムーブメントとクロノグラフムーブメントは別ではなく、最初から時刻用にクロノグラフ機構が搭載されたムーブメントとして発表されたため、話題になりました。
これにより、時計本体の厚みを抑えることができ、更に自動巻き機能も付いているという点が非常に画期的なのです。
人気の理由その2
ハイビート
現在の機械式時計が、一時間に何回「チクタク、チクタク」と鳴るかご存知ですか?
有名な高級時計店、知る人ぞ知るマイナーな時計、その殆どが今では、1秒間に8回、およそ一時間に28,800回チクタク音がすると言われております。
この回数は機械式時計にとっては非常に重要で、回数が多ければ多いほど精度が安定しやすいと言われています。
分かりやすくおもちゃのコマにたとえてみましょう。
コマを回した時、回し始めてすぐは最も早く回っており真っすぐ立って、もはや止まっているようにも見えますね。
もし壁や他のコマと接触してもすぐに止まったりすることは考えにくいです。非常に安定しています。
しかし、回転数が落ちてきたコマはどうでしょう?グラグラしてきてちょっとした衝撃で今にも倒れてしまいそうで、安定していないと想像できますよね。
時計のムーブメントにも同じことが言えます。ですので振動数が高ければ高いほど安定した精度が出せると言われています。
殆どのブランドで28,800回となっている中、ゼニスの”エル・プリメロ”は36,000回もの振動数を誇り、ゼニスのクロノグラフは全てこの36,000振動になっています。
これはゼニスの150年以上続くマニュファクチュールという歴史と、それに続く技術力があってこそのものだと言われております。
他ブランドで36,000振動基本搭載とならないのはもちろん大きな課題もあるためです。
振動数が多いという事は、それだけ内部パーツを消耗しやすいという点。
普通よりも早く動かすために持続時間(パワーリザーブ)が減ってしまうという点。etc…
様々な理由がある中で、ゼニスはそういった点をいくつも乗り越えて1969年に”エル・プリメロ”を発表しました。
episode2,シャルル・ベルモ
実は”エル・プリメロ”は発表されてから数年で一度破棄命令が下り、この世から無くなってしまった時期が存在します。
その原因は1970年代の「クォーツショック」です。
世界初のクォーツ時計が発表され世界的に大流行した時代は、機械式時計メーカーの9割以上が廃業または活動を停止せざるを得なかったと言われております。
ゼニスも当時、たまたま同じ名前の「ゼニスラジオ社」というアメリカのシカゴに本社を置く会社に買収されており、その上層部から
「クォーツ時計に対抗しても仕方がない!」
「時代はクォーツだ!」
というクォーツ時計製造に賛同する意見が多く、一時的にクォーツ時計製造に移り、同時期に”エル・プリメロ”に関する資料に対する破棄命令が下ります。
その時破棄命令に背いた人物こそ、当時の技術長だったエル・プリメロの救世主『シャルル・ベルモ』です!
同僚たちが皆次々と上層部の意見に屈していく中、彼だけはエル・プリメロがいつか需要が来る時代が来ると信じてその信念を曲げることはありませんでした。
その後彼が取った行動は今のゼニスだけではなく、エル・プリメロを導入する他ブランドの未来も守ったとされ、救世主と称えられています。
結論から言うと、彼は上層部の破棄命令に背き、エル・プリメロに関する資料や工具金型全てを破棄せず、工房の屋根裏部屋に隠していくという行動をとります。
皆が寝静まった夜に一人、少しずつ屋根裏部屋に移動させていき、どこに何を置いたのかノートへ記し、最後には壁を作って見つからないように隠しました。
こうして一時的にエル・プリメロはシャルル・ベルモ以外の誰もから忘れ去られてしまいます。
しかし、転機が訪れます。
1982年とある時計メーカーがエル・プリメロを使った機械式時計を作りたいと声が上がります。
ただ、破棄命令が下ってから何年も経ってしまっている為、その行方を知るのはシャルル・ベルモただ一人。現役を引退していましたが、彼の案内によってエル・プリメロが再び脚光を浴びる日を迎えたのです。
ちなみにですが、ゼニスのブランドカラーでもある星空をイメージしたブルーは、シャルル・ベルモが好きだった色でもあり、彼に対する感謝の意を表したモデルも存在しています。
episode3,ゼニス、エル・プリメロの意味
ZENITHはギリシャ語で、日本語に訳すと「天頂」
エル・プリメロはエスペラント語という造語で、日本語に訳すと「No.1」「最初の」
という意味があります。
天頂は
最も高い場所、という意味にもなります。ゼニスは常に向上心を持って上を目指すという風にも捉えられますね。
上を見上げると星空があり、いつかは星に行きつくという意味でロゴには星が使われています。
エル・プリメロは
その名の通り1番という意味を持っています。
「ZENITHのエル・プリメロの時計を着けてこれからも仕事頑張るぞ!」
という方が多くいらっしゃいますように、モチベーションを高く持ち、ふと時計を見た時にどういう思いで時計を買ったのか思い出すのもステキな使い方ですよね。
機械式時計ブランドは今や数えきれないほど存在します。
その中でも世界的に有名なブランドは全体のほんの僅かで、更に言えば一目見ただけでどこのブランドか分かってしまう位のブランドはかなり限られてきます。
ZENITHは1865年創業から150年以上の歴史があり、その中で様々な壁を乗り越えて今があります。
シャルル・ベルモが居なかったり素直に資料を破棄してしまっていた場合、今のZENITHは無かったでしょうし、他ブランドへの供給も行なわれなかったので業界全体へ大きな影響力があったとも言える程です。
そんなZENITHのエル・プリメロを着けて、何事も常に上を目指してみるのも楽しいでしょうね。
店舗における感染防止対策
当店では、お客様ならびに従業員の健康と安全に配慮し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、上記のとおり対応しております。お客様ならびに従業員の健康と安全を最優先に考え、感染症の拡大防止に努めてまいります。
お客様のご理解、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
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