ブルーに宿るブランドの歴史 ― ゼニス「クロノマスター スポーツ ブルー」のダイヤルを読み解く

こんにちは。ゼニスブティック大阪のブログをいつもご覧いただきまして誠にありがとうございます。
本日はゼニスの「クロノマスター スポーツ ブルー」のご紹介です。
このモデルの特徴は、ひときわ目を引くブルーダイヤルです。
ただ「美しい色味」というわけではなく、このダイヤルにはゼニスの伝統、技術が含まれています。
今回は、このブルーダイヤルに秘められた意匠を、じっくりとお伝えいたします。

サンレイ仕上げがもたらす「動き」

まず注目すべきは、サンレイ（太陽光線状）仕上げによる光の反射です。
光が文字盤の中心から外周に向かって放射されるように広がるこの仕上げは、ダイヤルに立体感と動きを与えます。
静止した状態でも、手首を傾けるたびに文字盤が微妙に表情を変え、まるで時計が光を発してるかのような印象を与えます。
落ち着いたネイビーブルーから明るいブルーまで、角度と光量によって色の濃淡が美しく変化します。
使うたびに違う表情が新鮮で飽きない文字盤となっています。

ゼニス伝統の「3色サブダイヤル」

ゼニスのクロノグラフを象徴する要素として語られるのが、3色に塗り分けられたインダイヤルです。
ライトグレー、ミディアムグレー、ブルーの絶妙なグラデーションは、1969年に誕生した伝説的モデル「エル・プリメロ A386」に起源を持ちます。
これらの色分けには実用性も込められており、各積算計（30分、60秒、12時間）を視覚的にすばやく判別できるよう工夫されています。それと同時に、このカラーコンビネーションは今やゼニスのDNAとして、時代やモデルを超えて受け継がれています。
視認性と美しさを兼ね備えたこの配色バランスは、まさに機能美の象徴です。

配置とバランスに宿る緻密な設計

一見シンプルに見えるダイヤルレイアウトですが、実は非常に緻密な設計のもとに成り立っています。各サブダイヤルの配置バランス、インデックスの形状とサイズ、そしてゼニスのロゴ位置まで、すべてが視認性と美観の両立を目指してデザインされています。
また、スーパールミノバが施されたインデックスと針は、昼夜を問わず高い視認性を確保。ダイヤルの機能性を損なうことなく、エレガントな輝きを添えているのもポイントです。

青という色

ブルーはゼニスのブランドカラーとしてなぜ選ばれたのでしょうか？
それはゼニスの歴史にも関係しています。ゼニスを代表するムーブメント“エル・プリメロ”を守った“シャルル・ベルモ氏”が一番愛した色だったことが影響しています。
青は、誠実・知性・信頼・冷静さを象徴する色とされています。ビジネスシーンやフォーマルな装いとの相性が良いだけでなく、日常のどんな瞬間にも溶け込みやすい懐の深さを持っています。
さらに、スポーツモデルでありながらラグジュアリーさを損なわないこのカラーは、現代のライフスタイルにおいてオンとオフを自在に行き来できる理想の色味とも言えるでしょう。
ゼニスはこのブルーに、伝統を尊重しつつも現代を生きる人々の感性とライフスタイルに寄り添う意志を込めたのかもしれません。

まとめ ― ダイヤルは「語る」

ゼニス「クロノマスター スポーツ ブルー」のダイヤルは、単なる文字盤以上の存在です。
それは、ブランドの歴史、時計の機能、そして現代の美意識が融合した「語るデザイン」とも言えるでしょう。
このブルーの表情は、時計を見るたびに“ゼニスという物語”を手元に宿し心を満たしてくれるはずです。
投稿者　長野

ZENITH
クロノマスター スポーツ ブルー
品番：03.3114.3600/51.M3100
ケース径：41ｍｍ
ムーブメント：ゼニス自社製自動巻きムーブメント（エル・プリメロ3600）
ケース素材：ステンレススチール
ベルト：ステンレススチール
防水：10気圧防水
価格：￥1,485,000(税込)
※2025年5月時点での価格