ゼニスの伝説、『エル・プリメロ』50年の進化と革新に迫る！」～ゼニスブティック大阪

皆様こんにちは。いつもゼニスブティック大阪のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

本日は、ゼニスといえば欠かせない代表作「エル・プリメロ」についてご紹介していきます。これをご覧いただければ、エル・プリメロ、そしてゼニス通の仲間入りです。ぜひ最後までご覧くださいませ！

エル・プリメロとは？

「エル・プリメロ」といえば、最もよく知られた称号が「世界初の自動巻きクロノグラフ」です。これは、世界で初めて開発された自動巻き機構を持つクロノグラフという意味です。現代では、自動巻きもクロノグラフも、自動巻きクロノグラフも珍しくありませんが、エル・プリメロが開発・発表されたのは今から半世紀以上前の1969年1月10日。当時、時計業界では腕時計が一般に普及し、多彩なデザインが登場していました。

その中でも、クロノグラフはより身近な存在となり、自動巻きクロノグラフの開発競争が巻き起こります。この熾烈な競争に勝利し、最も早く開発に成功したのがゼニスだったのです。

エル・プリメロの世代

エル・プリメロは50年以上にわたり、ほとんど同じ設計で製造され続けてきた非常に長い歴史を持っています。とはいえ、50年間まったく同じムーブメントというわけではなく、日々改良が重ねられてきました。大きく分けて、初期の第一世代、製造再開後の第二世代、そして最新の第三世代に分類できます。

第一世代

第一世代は1969年に開発され、世界で初めての自動巻きクロノグラフとして誕生しました。当時、自動巻き機構をクロノグラフに組み合わせることは非常に高い技術力を要しました。現在のようにコンピューターでシミュレーションを行う設計ではなく、手書きの図面をもとに工作工具を用いてすべて手作業で製作されていたため、膨大な時間とコストがかかるのが常だったのです。

1965年、ゼニスの創業100周年を記念して開発が進められ、すでに形は完成していましたが、当初は通常のクロノグラフに自動巻きを追加しただけで特筆すべき点はありませんでした。そんな中、世界最高精度のクロノメーターを輩出し続けていたゼニスのクロノメーター開発部門がエル・プリメロの設計に参加しました。

さらに4年の歳月をかけ、1969年、ついにエル・プリメロは完成しました。このムーブメントは、当時としては画期的な36,000VPH（1秒間に10振動）の超ハイビート、一体型設計の薄型で両方向回転式自動巻き（外付けモジュールを用いない）、ゼンマイの持続時間約50時間という高性能を誇っていました。当時の主流であった24～36時間程度のパワーリザーブの時計と比べ、スペックの優秀さは一目瞭然です。

しかし、同じ1969年に「クォーツショック」と呼ばれる現象が起こり、安価で高精度のクォーツ式時計が登場し、世界中で大流行しました。クォーツ時計の「安価で大量生産が可能であり、精度も優れている」という特徴に市場は驚き、スイスの機械式時計の市場は3/4が倒産するという壊滅的な打撃を受けました。ゼニスもこの波に押されてアメリカ資本に買収され、クォーツ時計の製造を余儀なくされます。

その際、機械式時計の技術流出を恐れた当時のゼニスの上層部は、エル・プリメロに関するすべての機密情報を破棄するよう指示を出しました。その結果、エル・プリメロは世の中から消えてしまうかと思われました…。

第二世代

それから約10年後の1982年、ゼニスはスイスに戻り、再び機械式時計の需要が高まり始めます。ゼニスは厳しい状況でスイスに帰還しましたが、そこで「デイトナ」へのムーブメント提供の話が持ち上がります。当時、自動巻きクロノグラフが求められており、薄型の「エル・プリメロ」に再び注目が集まりました。

実は、すべて破棄されたと思われていたエル・プリメロの機密情報や製造に関わる図面や工具が、当時の工房長シャルル・ベルモによって屋根裏に保管されていたのです。彼の勇気ある行動により、エル・プリメロは復活を果たしました。

復活に際し、ゼニスはエル・プリメロの設計を見直し、耐震装置をインカブロックからキフに変更するなど改良を施し、より高次元に引き上げました。この第二世代のエル・プリメロは多くの時計メーカーに供給され、多くのカスタマイズが施されました。

第三世代

第二世代が最も多く世に出回りましたが、ゼニスはそれにとどまらず、エル・プリメロの設計をさらに見直し、現代でも通用するように刷新しました。これが現行の第三世代エル・プリメロです。

現代的なデザインが施され、シリコン製のパーツに変更されています。基礎的なスペックも向上し、ゼンマイの持続時間が60時間に引き上げられ、オーバーホールの間隔が長くなりました。また、秒針停止機能（ハック機能）が追加され、クロノグラフの針が10秒で1周することで1/10秒まで計測できるようになりました。さらに、緩急針にエタクロンが付き、微調整がしやすくなっています。

第三世代はまだ始まったばかりですが、すでに複数の派生ムーブメントが登場しています。

いかがだったでしょうか？ゼニスの伝説的ムーブメント『エル・プリメロ』のことを少しご理解いただけましたでしょうか？ゼニスがエル・プリメロと共にあることはわかっていただけたのではないでしょうか？こんなロマンあふれる時計を是非皆様も、手に入れてみませんか？

“TIME TO REACH YOUR STAR”